あさがほ(あさがお)
用字=阿佐加保、安佐我保、朝貌、朝果、槿
和名=ききよう
ききょうょう科
異説=あさがお、ひるがお、むくげ
産地=日本各地
朝貌は朝露負ひて咲くといへど夕陰にこそ咲きまさりけれ
(巻一○の二一○四)(他に一五三一八、三七四、二二七五)index
あし
用字=安之、葦、蘆、葭
和名=あし
かほん科
産地=本州、四国、九州
難波の宮に幸しし時、志貴の皇子の作りませる御歌 葦辺ゆく鴨の羽交に霜零りて寒き夕は大和し念ほゆ
(巻一の六四)(他に九一九、一二八八、一八○四、三一五七○等)index
あしび
用字=安之婢、安志妣、馬酔木、馬酔
和名=あしび、あせび、あせぼ、あしぶ等
つつじ科
産地=本州、四国、九州
甘南備の伊香の真人 磯かげの見ゆる池水照るまでに咲ける馬酔木の散らまく借しも
(巻二○の四五一三)(他に一六六、一一二八、一四二八、一八六八、一九○三等)index
あじさい(あぢさゐ)
用字=味狭藍、安治佐為
和名=あじさい
ゆきのした科
産地=日本各地
左大臣橘諸兄の、味狭藍の花に寄せて詠める 紫陽花の八重咲く如くやつ世にをいませわが夫子見つつしのばむ
(巻二○の四四四八)(他に七七三)index
あずさ(あづさ)
用字=安都佐、梓
和名=みずめ、よぐそみねはり
かばのき科
異説=あかめかしわ、きささげ、まゆみ、かや
産地=本州、四国、九州
梓弓引きて弛べぬ丈夫や恋とふものを忍びかねてむ
(巻一二の二九八七)(他に三、九八、九九、二○七等)index
あふひ(あおい)
用字=葵
和名=ふゆあおい、かんあおい
あおい科
産地=アジア原産
梨棗黍に粟嗣ぎ延ふ田葛の後も違はむと葵花咲く
(巻一六の三八三四)index
あべたちばな
用字=阿部橘
和名=こうじみかん、たちばな
さんしょう科
だいだい、みかん、くねんぼ
産地=四国 九州
吾妹子に逢はず久しもうまし物阿部橘の蘿生すまでに
(巻一一の二七五〇)index
あやめぐさ
用字=安夜売具佐、安夜女具佐、曹浦、蒼草、菖蒲
和名=しようぶ
さといも科
異説=せきしょう、かきつばた
産地=北海道、本州、四国、九州
大伴家持の霍公鳥 霍公鳥待てど来喧かず菖蒲草玉に貫く日をいまだ遠みか
(巻八の一四九○)(他に四二三、一九五五、四○三五)index
あは(あわ)
用字=安波、粟
和名=あわ
かほん科
産地=栽植
ちはやぶる神の社し無かりせば春日の野辺に菜蒔かましを
(巻三の四○四)(他に四○五、三四五一、三八三四等)index
おうち(おうち)
用字=阿存知、安存知、安不知、相市 和名=せんだん せんだん科
産地=四国、九州
大作宿禰書持の、奈良の宅より兄家持に贈れる 珠に貫く棟を宅に植ゑたらば山番公鳥離れず来むかも
(巻一七の三九一○)(他に七九八、一九七三、三九一一)index
あをな(あおな)
用字=蔓菁
和名=かぶら
あぶらな科
産地=栽植
行騰、蔓菁、倉薦、星の操を詠める歌 食菁敷き蔓菁煮持ち来梁に行騰かけて息むこの公
(巻一六の三八二五)index
いちし
用字=壱師
和名=ひがんばな
ゆり科
異説=えごのき、ぎしぎし
産地=本州、四国、九州
路の辺の老師の花のいちしろく人皆知りぬわが恋妻は或本の歌に日はく「いちしろく人知りにけりつぎてし念へば」
(巻一一の二四八○)index
いちひ(いちい)
用字=伊智比
和名=いちいがし
ぶな科
異説=あかがし
産地=本州中部、四国、九州
乞食者の詠−長歌 前略…あしひきのこの片山に二つ立つ櫟が本に梓弓八つ手挟み…後略
(巻一六の三八八五)index
いね
用字=伊禰、稲
和名=いね
かほん科
産地=日本全国各地栽植
恋びつつも稲葉かき別け家居れば乏しくもあらず秋の夕風
(巻一○の一三三○)(他に二二四四、二六二四、三五五○、三八四八等)index
いはづな(いわづな)
用字=石綱
和名=ていかかづら
きょうちくとう科
産地=本州、四国、九州
寧楽の京の荒れたる墟を傷み借みて作れる歌 右綱のまたをちかへりあをによし奈良の京師をまたも見むかも
(巻六の一○四六)index
うけら
用字=字家長、山薊、朮
和名=おけら
きく科
産地=本州、四国、九州
恋しけば袖も振らむを武蔵野のうけらが花の色に出なゆめ
(巻一四の三三七六)−武蔵の国の歌−或本の歌に曰く「いかにして恋ひはか妹に武蔵野のうけらが花のの色に出ずあらむ」(他に三三七九、二五○五)index
うのはな
用字=字能波奈、宇能花、干花、字花
和名=うつぎ、うのはな
ゆきのした科
産地=本州、四国、九州
五月山卯の花月夜霍公烏聞けども飽かずまた鴫かぬかも
(巻一○の一九五三)(他に一四七二、一四七七、一九五七、三九九三等)index
いはいづら(いわゐづら)
用字=伊波為都良
和名=すべりひゆ
すべりひゆ科
異説=ねなしかづら、みずはこべ 産地=北海道、本州、四国、九州
入間道の大家が原のいはゐづら引かばぬるぬる吾にな絶えそね
(巻一四の三三七八)−−武蔵の国の歌−−(他に三四一六)index
うきまなご
用字=浮沙
和名=うきくさ
うきくさ科
産地=北海道、本州、四国、九州
解衣の恋ひ乱れつつ浮沙生きても吾はあり渡るかも
(巻二の二五○四)index
うはぎ
用字=宇波疑、菟芳子
和名=よめな
きく科
産地=北海道、本州、四国、九州
煙を詠める 春日野に煙立つ見ゆをとめ等し春野の菟芽子採みて煮らしも
(巻一○の一八七九)(他に二二一)index
うまら
用字=宇万良
和名=のばら、のいばら
ばら科
産地=本州、四国、九州
天羽の上下丈部の鳥道の辺の荊の未にはほ豆のからまる君を離れか行かむ
(巻二○の四三五二)(他に三八三二)index
うめ
用字=梅、宇米、有米、干梅、宇梅、汗米、烏梅
和名=うめ
ばら科
産地=九州は自生、他は栽植
山上の憶良の歌春さればまづ咲く宿の梅の花ひとり見つつや春日暮さむ
(巻五の八一八)(他に八一五、八一六、八一七、一四三七等一一九首、集中萩に次いで二番目に歌が多い)index
うも
用字=宇毛、芋
和名=さといも
さといも科
産地=栽植、(原産・印度)
荷葉を詠める歌−長忌寸意吉麻呂 蓮葉はかくこそあるもの意吉麻呂が家なるものは芋の葉にあらし
(巻一六の三八二六)index
え
用字=榎
和名=えのき
にれ科
産地=本州、四国、九州
わが門の榎の実もり喫む百千鳥千鳥は来れと君ぞ来まさぬ
(巻一六の三八七二)index
えぐ(ゑぐ)
用字=恵具、回具
和名=くろぐわい
かやつりぐさ科
異説=せり、おもだか、れんげそう
産地=本州、四国、九州
君がための山田の沢に恵具採むと雪消のの水に裳の裾ぬれぬ
(巻一○の八三九)index
おぎ(をぎ)
用字=平疑、荻
和名=おぎ
かほん科
産地=北海道、本州、四国、九州
葦辺なる荻の葉さやぎ秋風の吹き来るなべに雁鳴き渡る
(巻一○の二一三四)(他に三四四六)index
おはゐぐさ(おおいぐさ)
用字=於保為具体
和名=ふとい
かやつりぐさ科
産地=北海道、本州、四国、九州
柿本の朝臣人麻呂の歌集に出づ上つ毛野伊奈良の沼の大藺草よそに見しよは今こそ勝れ
(巻一四の三四一七)index
おみのき
用字=臣木
和名=もみ
まつ科
産地=本州、四国、九州
山部の宿禰赤人の伊予の温泉に至りて作れる歌−長歌 前略…み湯の上の樹群を見ればおみの木も生い継ぎにけリ…後略
(巻三の三二二)index
おもひぐさ(おもいぐさ)
用字=思草
和名=なんばんぎせる
はまうつぼ科
異説=りんどう、おみなえし、つゆくさ
産地=本州、四国、九州
道の辺の尾花が下の思草今さらになぞ物か念はむ
(巻一○の一三七○)index
おみなへし(をみなえし)
用字=女郎花、乎美奈敝之、美人部師、佳人部為、娘子部四、姫押、娘部思、姫部思
和名=おみなえし
おみなえし科
産地=北海道、本州、四国、九州
手に取れば袖さへにほふ女郎花この白露に散らまく惜しも
(巻一○の二一一五)(他に六七五、二二四六、一五三○、一九○五、三九四四等)index